日刊じゃないでじぺんNo.498

「いつも…その恰好を?」 おずおずと声をかけてきたのは、昨日から同室になったばかりの新入りだった。他にそんな間抜けな質問をしてくる奴なんてここにはいやしない。 「ああ?…そんなわけねぇだろうが。好き好んでこんな鬱陶しいモ … 続きを読む

日刊じゃないでじぺんNo.364 #situ

灼けるような陽射し。真っ青な空に湧き上がる入道雲。蝉時雨。風に揺れる草叢から噎せ返るような緑の匂い。 ジリジリと音をたてる鉄板の如く熱を帯びた砂利道は一直線に伸びて、立ち昇る陽炎の向こうに遠く見える山の稜線は歪んで揺れる … 続きを読む

日刊じゃないでじぺんNo.357

僕は焦っていた。 この事態に気づいているのは、多分世界中でも僕一人。これだけ進歩した文明がなんてザマだ。 高速でキーを叩いて、あらゆる 可能性を演算する。繰り返しても繰り返しても同じ。太陽に仕掛けられたフレア誘発兵器が発 … 続きを読む